映画「人魚の眠る家」は、東野圭吾のデビュー30周年を記念して執筆された、同名ベストセラー作品の映画化です。
生とは何かを問題提議をするヒューマンミステリーで、心臓死、脳死をどう受け止めるのか、考えさせられる作品です。
キャストは、「今日も嫌がらせ弁当」、「アンフェア」シリーズの篠原涼子、「空母いぶき」の西島秀俊、「仮面病棟」の坂口健太郎、川栄李奈、山口紗弥加らがつとめる。
監督は、劇場版「SPEC」シリーズ、劇場版「トリック」の堤幸彦がメガホンをとる。
作品情報
製作年 : | 2018年 |
上映時間: | 120分 |
ジャンル: | サスペンス、ドラマ |
監督 : | 堤幸彦 |
キャスト: | 篠原涼子 西島秀俊 坂口健太郎 川栄李奈 山口紗弥加 etc |
原作者の東野圭吾が、「原作者が泣いたらかっこ悪いという思いから懸命に涙は堪(こら)えましたが、皆さんは遠慮なく泣いてくださって結構です」と言ったぐらいの彼の自信作です。
夫婦の葛藤、もし自分の子が意識不明の状態になったら、今の自分に当てはめると本当に心が苦しくなりました。
認めたくない事実との対峙は、誰もが共感出来る映画です。
特に、娘の命の選択が、親に委ねられる日本の仕組みには憤りを感じました。
脳死、心臓死の考え方があるのは、驚きです。
冷静に考えれば、何が正しい、何が間違っているのか、だれも判断出来ません。
技術の進化で、新しい問題が発生する恐怖を感じる物語です。
映画「パラレルワールド・ラブストーリー」では、記憶をコントロールして、人を支配していました。
東野圭吾の作品は、近未来に対して、サスペンスというカテゴリーで、起こりうる問題を教えてくれているのかもしれませんね!
あらすじ
社長の播磨和昌(西島秀俊)と妻の薫子(篠原涼子)は2人の子供を持つが、2人とも別々の生活を。
ある日、娘の瑞穂がプールで溺れて、脳死と診断されます。
臓器提供、それとも死を待つかの選択を決断しなくてはいけない夫婦は、思い悩んだ結果、臓器提供を考えます。
最後のお別れで、薫子が瑞穂の手が動いたのを感じ、娘の未来を期待する。
和昌は、自身の会社が開発した最先端技術で、延命治療を行なうが。
作品を見て感じたこと(ネタバレ・感想)
愛する子供を失うことを受け止めれますか?
想像できない領域なので、悲しさしか思い浮かびませんが、主人公の播磨薫子(篠原涼子)は、一旦、娘の死を受け入れます。
でも、最後のお別れで、娘のささやかな変化で、彼女を介護することを決断します。
子供の脳死は、謎が多いみたいで、大人を迷わすことがあるみたいです。
未来の医学の進歩を期待して、延命をするのは、誰しも望むのはあたり前です。
技術の進化で、人間の体をコントロールして、順調に子供の体を成長させるのは、とても恐ろしことだと思いませんか?
子供たちは、色々な経験、活動、遊びが身となり、心の一部となり、成長していきます。
体だけを成長させても、その本人は、幸せなのでしょうか?
映画「ゴースト・イン・ザ・シェル」では、脳だけが本物の自分の体の一部となり、体は作り物であることを問題定義していました。
この作品は、全く、逆の作品です。
薫子は、生きるとは、身も心もセットでないと、何かおかしいことに気付き、娘の死を受け入れます。
苦渋の決断は、とても共感出来ました。
脳死、心臓死の違いを教えられました!
人の命は、医学上で判断出来ない尊いものです。
人の死とは、周りの人たちの心に、大きな影響を与えるものです。
私は、幸せなことに人の死との関わりは、あまりありません。
でも、初めて、大切な人の死を体験した時のことは、今でも忘れられません。
昨日まで、話をしていた人が、死んでしまう。
この作品では、娘の死の判断を親に委ねます。
自分は、とても耐えられないことだと思いました。
技術は、本当の人間の為になっているのでしょうか?
我々の欲望で、命をコントロールするのは、正しい?正しくない?
「あきらめる」ことが出来なくなったのは、新しい技術を期待しているからだと思います。
自分たちの求めているものを、作り出すことは、正しい欲求です。
でも、生命の本当の意味を考えないといけない時が来たのかもしれません。
私は、技術に頼らないで、何事にも切磋琢磨する生き方をチョイスしたいですが、あなたはどう考えますか?
命と技術の関係を考えると、AIによって、人間とサイボーグの境目がなくなる時代がもうすぐやってきます。
この作品は、生と命について、問題提起しているので、ちょっと違うかもしれませんが。
子供に電気を流して、筋肉を操作して、笑うシーンがありましたが、とても恐ろしかったです。
人の表情を、技術の力で再現出来るようになることを考えると、サイボーグとの違いがなくなる事を予感します。
個人的には、寄り添ったり、相手を思いやる心があれば、体が機械であろうが、生身の体であろうがどうでもいいです。
あなたは、どのように思いますか?
東野圭吾って、凄い作家ですね。
近未来を、リアルな現実に埋め込んで、私達の心を揺さぶります。
近い未来の当たり前に驚かないように、免疫を付けてくれる作品だと思いました。
まとめ(おすすめ・考察)
東野圭吾は、私達に、近未来の当たり前を題材にした作品を見せてくれます。
映画「パラレルワールド・ラブストーリー」では、記憶をコントロールする内容で、今作では、人間の体自身をコントロールするストーリーです。
まるで、ドラえもんの作家の藤子不二雄みたいですね。
AIが完成して、人間とサイボーグとの区別がなくなる世界は、楽しみですが、倫理的にどうなのか想像も出来ません。
でも、お互いに、寄り添い、思いやる心があれば、どうでもいいと思います。
幸せって、何なのでしょうか?
大人は、子供たちに容姿、性格などで、区別をしてはいけないと言います。
これを考えると、人間同士にこだわる必要がないように思いませんか?
私たちは、何が正しい、何があたりまえか、きっちり再定義しないといけない時代だと思います。
本当の「幸せ」に向き合わないといけない時が、すぐそこまでやってきたと思います。
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